今時?と思われるかもしれませんが、CDプレイヤーを買いました。
今まではパソコンのディスクドライブで聴いたり、リッピングしてリファレンスとして音を確認したりしていました。CDプレイヤーってまだ製造しているのかな?という好奇心から調べてみるました。するとまだまだ製造されていて、しかも低価格で性能の良い物がそろっています。
古い音源をCDでいろいろ聞いてみたいという欲求から気軽に購入したのですが、音楽家にとってCDという媒体は必須ということに気づかされました。そのことにも触れたいと思います。
なので、今回のお題は「音楽家にCDプレイヤーが必要な理由」です。
まずは製品を物色
価格は希望小売価格は4〜5万円くらいで、実勢価格3万円以下のもの。
いろいろ迷った結果、パイオニアのPD-30AEという機種にしました。数年前から使っている超チープなDVDプレイヤーもパイオニアなのですが、全く壊れない。多くの場合、トレイの開閉が壊れることが多いのですが、全くその気配もありません。
電源ケーブルを交換できるところもこの製品を選んだ理由です。
音の傾向は若干、低域を盛っている感じはしました。特にサブウーハーを使うとその傾向がハッキリします。これは自分の環境では許容範囲でしょう。サブウーハー側を調整すれば問題ありません。
CDを聴かない人たち
今の若い世代はCDを聴きません。スマホで圧縮したファイルを聴きます。10〜20歳代前半の人はストリーミングが中心です。もちろんCDプレイヤーは持っていません。
中年世代や中高年の方も一般的にCDプレイヤー持っている人は少なく、そもそも音楽を聴く人があまりいません。音楽以前に人の話を聞かない人も多いです。これはとても悲しいことですね。
ミュージシャンの中にもサンプルCDをお渡ししてもリッピングして圧縮したMP3ファイルで聴く人がいます。確かに演奏家というのは多少音が悪くても、そこで起こっていることは感知できるものです。音質にこだわりがなければ、それで充分なのかもしれません。
音楽を聴かない音楽家
あるミュージシャンがい言い放った一言。
「家に帰ってまで音楽聴きませんよ」
これは悲しすぎます。この人は手だけ動かしているのでしょうか。ホントビックリしました。
ただ、こういう音楽家の方は以外にも多いのです。ある程度仕事をこなせるようになると好奇心が薄れるのでしょうか。音楽を聴く習慣の無い人は「人の話」すら聞かない人が多い気がします。
人の話を聞かないミュージシャンは、人の音も聴きません。もちろんプロですから、アンサンブルでタイム感などをあわせるだけの程度は聴いています。しかし音の向こうにある表現の世界にまで踏み込んで来る人ではないと思います。ある意味、レコーディングでそういう乾燥した演奏や音を求めているクライアントもいますので、需要はケースバイケースですが...。
音楽家とCD
先ほどもいいましたように、演奏家は多少音が悪くても音の表情を読むことが出来ます。だから極端な話、モノラルAMラジオのような音でも演奏がわかれば充分というようなこともあります。
ではCDはもはや必要ないのでしょうか?
いえ必要です。
その理由はふたつあります。
マスメディア
私がよく愛読させて頂いている音楽家ブロガーに「皆見つかさ」さんという方がいらっしゃいます。この方が興味深い記事を書いていました。
この記事のよるとFMラジオなどでは、圧縮したMP3ファイルやパソコンで焼いたコピーCDもかけてもらえません。マスメディアの仕事をして、ついでにプロモーションのつもりで渡した音源がラジオで全くかけてもらえなかったというのは、このような理由があると思います。
自分の音楽を広く知って貰うために放送局で音楽をかけてもらえるかどうかは重要です。権利収入などを考えても放送局でのオンエアはとても需要です。CD制作はJANコードを取得して流通ベースに載せたもの、楽曲がJASRAC信託曲なら著作権使用料もクリアーなので尚良いようです。
音楽マネジメントを視野に入れると、流通ベースのCDプレスは必須のようですね。CDに無関心だと、こういうことを知らずに終わってしまいます。
音の景色を見る
夏になると蝉の大合唱が始まります。アブラゼミとクマゼミ、夏も終わりに近づくとツクツクボウシも鳴き出します。彼らは同時に存在する時期もあります。で、聴いていると彼らの声帯がそれぞれ違う位置にあるのです。同時に重なってもそれぞれの声がちゃんと聞こえるように棲み分けています。
そこからよくよく聴いてみると、鳥の鳴き声もまた違うところに存在しています。さらに風の音も。
MP3からCDを聴いてもそれほど音が良くなった感は感じしないかもしれません。でもCDからMP3を聴くと明らかに音の劣化がわかります。MP3は繊細な部分をそぎ取っているので、音の情報は伝えますが景色などの息づかいはわかりにくいことが多いです。
だったらCDじゃなくて「パソコンでハイレゾ音源」でも良いんじゃない?っといわれそうですね。そうかもしれません。ハイレゾ音源がCDと同じくらいのラインナップがそろっているのであればそれもアリかもしれませんが、現状そうではないです。
また、個人的にCDを聞く理由があります。
生活の中での音楽
私の場合、CD以外にもレコードで音楽を聴くこともあります。
あえて音楽をかけずに風の音や光が差し込む静寂の中で過ごす時間も作ります。その時間と対比するように音楽と対話する時間を作ります。それは自ら楽器を演奏することもありますし、CDやレコードで音楽を奏でることもあります。音楽と対話するというスタンスに変わりはありません。
自分の場合、音楽を聴くという行為は対話なので、やっぱりスピーカーの前に座って浴びるように聴くのが基本です。
それは生活の中の景色であり、自分自身の心と身体を調和させるための時間でもあります。CDを聴くという行為もハードウェアを「モノ」を介して音楽媒体に接するという行為を愉しみたいのです。ハードウェアならケーブルや電源を交換することで音の景色も変わります。
いろんなものに意識をむけて音楽と関わっていきたいのです。
音楽を聴かなくなった人が増えたような気します。ただこういう人たちは、もともと音楽を聴いてなかった人たちかもしれません。ヒット曲や流行の音、そういったものだけが必要な人たちは、あえて時間を作ってまで音楽を聴きません。
皆さんもパソコンやスマホの電源をOFFにして、一度ゆっったりと音楽に浸ってみると生活の中の景色も少し変わってくると思いますよ。
この記事を書いた人
[Music Freaks]
日々、ピアノを弾くことで生計を立てています。アコーディオンも弾きます。そしてひたすら音楽製作してます。人の多い場所と鈍感な人、苦手です。音楽と共に生きてくことは愉しい、すべての人がそう思えるような世界を考えていきたいです。
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