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そして僕は途方に暮れる / yojikさん(うた)

Spotifyの「カミデタカシ」ソングリストに過去のものを追加しました。今まで、国内Spotifyでは公開されていなかった、過去にリリースしたアルバムやシングルが一挙に公開されました。

今回は一番最初に配信開始したアルバム「人魚と暮らした日々」から、カヴァー曲「そして僕は途方に暮れる」を取り上げてみたいと思います。

天からの授かり物

楽器というのはう上手下手があっても、その部分はある程度の練習でクリアーできたりします。

しかし聞き手からすれば、歌を歌う人の「声」というのは、上手下手の前に好き嫌いがはっきり分かれてしまいます。どれだけうまくても嫌いなものは嫌いという「声」によって、音楽全体の第一印象が決定的になってしまうのです。

誰が聞いても気持ちいい「声」というのを持っている人がいます。まさに「天からの授かり物」です。そして今回紹介するトラック、「そして僕は途方に暮れる」を歌っているyojikさんは、まさに「天からの授かり物」を持っている人なのです。

現在、yojikさんは「yojikとwanda」という二人組ユニット活躍中です。

yojikさんとの出会い

今でこそ音楽配信サービスは当たり前になっていますが、10年ほど前はまだ音楽ファイルを無償で投稿するようなサイトしかありませんでした。

アマチュア、プロを問わず、ホームスタジオで制作した音楽を投稿するサイトが多数ありました。投稿した音楽は任意にダウンロードかストリーミング、カヴァー曲の場合はストリーミングのみ。そこでランキングを競ったり、同じ傾向の音楽仲間と知り合ったりしていました。SNSのような機能もありましたので、サイトの中にたくさんコミュニティもありました。

この少し後にmixieが生まれて、やがてtwitterやFacebookが生まれます。

yojikさんとは、そのような音楽サイトで知り合いました。それまでギターをまともに持ったこともないような女性が、ちょっと歌ってみようかのノリで録音してUPしたファイル。そこから音楽を聴いて気に入った仲間たちで、コラボしながら音楽を作って投稿する。

そこには、知らない人同士でも音楽を通じて親しくなって、お互いの素晴らしいところを認め合う、今のSNSにはあまり見られない光景がありました。

最初の配信アルバム

そんな音楽投稿サイトしか無かった国内に、アップル社が音楽配信サービスを提供するとアナウンスしたのです。

いまでこそ音楽配信は当たり前になっていますが、当時は本当に衝撃的でした。業界に何らかのコネがあって、そういったところを通じてデビューをするという方法でしか音楽は全国規模で販売できない、それが音楽業界の世界でした。CDを作ってもライブなどでの手売りか、CDショップにわずかながらのCDをおいていただくという方法のみ。それが自分の作った音楽を一気に世界リリースが出来るというのです。

アップル社がiTunesを通じて日本国内でも楽曲配信サービスを開始するというのを聞いたときには、いの一番にカリフォルニアのアップル社にメールして国内での手続きの方法を確認しました。

配信の手続きを済ませた後は、自分のアルバム制作に没頭しました。yojikさんの声も是非配信させて欲しいとお願いして、「そして僕は途方に暮れる」を弾き語りしているファイルをお借りして編集しました。

そういった第一歩を記念するアルバムが「人魚と暮らした日々」なのです。その中に収録されているのが今回紹介している「そして僕は途方に暮れる / yojikさん(うた)」です。


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そして、あれから10年近くの歳月が流れました。インタラクティブ配信というものが生まれて、個人ベースでも音楽を制作して販売できる時代になった。少なくとも今は音楽を表現するものにとって、素晴らしい下地のひとつが出来上がっていると思います。

使用楽器

この当時はソフトウェア音源も使っていなくて、生楽器かハードウェア音源です。ここで使われているのもほとんどが生楽器です。レコーディングはyojikさんがギター弾き語りしているファイルに後から音を重ねていきました。

今あらためてアルバム全曲通して聞くと、ミックス、マスタリング、かなりツメが甘いトラックがかなりありますね(汗)。

それでは最後に使用楽器の解説をします。

アコーディオン

バックのアコーディオンはフロンタリーニというメーカーのもので、現在は他のアコーディオン奏者の方が所有されています。音の立ち上がりが素晴らしく、ボディが大きい割に軽いというのも特徴でした。

この曲の中では、最初から最後まで全体を包み込むように演奏しています。

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ギター

1964年製造のギブソン社製のパーラータイプのクラシックギターです。パーラータイプとは普通のギターよりも一回り小さく持ち運びを便利にしたものです。ギブソンがクラシックギターを作っていたことすら珍しいのに、さらにパラータイプです。小さい割に音はものすごく深い音がします。僕の作品の中でのガット弦のギターの音はほとんどがこれです。

後半のオブリガートフレーズで挿入しています。

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ハーモニカ

ハーモニカの音はホーナー社のクロマティック・ハープ Toots Mellow Toneです。

ボディが木製でとても柔らかい音色です。ハーモニカ奏者の巨匠、トゥーツ・シールマンス監修ということで、いかにもトゥーツらしい音が出ます。トゥーツのあの雰囲気にちょっとでも近づきたいときには、ぴったりのハーモニカです。

最後に、後ろの方でなっているピアノは、ハードウェア音源、ROLAND音源SRX-01のピアノの音です。

制作ウラ話

最後のこのトラックの制作ウラ話を。

この曲の間奏の部分でハーモニカが入っています。実はここは最初、yojikさんのハミングが入っていました。このハミングのメロディがポリスの「見つめていたい」のメロディそのままでした。

「そして僕は途方にくれる」自体は作者「大沢誉志幸」さんの事務所に使用許可の承諾を経ていたのですが、このままではスポリスを管理する日本の音楽出版社にを問い合わせる必要が出てきます。リリース予定日にはとうてい間に合わない。ということで、この部分はハーモニカと差し替えました。

よく聴いてみるとその痕跡は残っていますね(笑)。

この記事を書いた人

[Music Freaks]
日々、ピアノを弾くことで生計を立てています。アコーディオンも弾きます。そしてひたすら音楽製作してます。人の多い場所と鈍感な人、苦手です。音楽と共に生きてくことは愉しい、すべての人がそう思えるような世界を考えていきたいです。

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