KORG Gadgetを使い始めて、音楽制作の時の気分がちょっと変わってきました。
「音楽制作=お仕事」というモードになっていたのが、「音楽制作=趣味」の感じが強くなってきました。構造がシンプルなので、初期のマルチトラックレコーダーを思いおこさせますね。DAWとしての機能が簡素なんですが、その分、余計なことを考えずに曲作りに没頭できる点がGOODなのです。
オーディオレコーディング
オーディオレコーディングにはZurichというガジェットを使います。
オープンリールデッキのようなインターフェースです。2chステレオです。モノラルで録音しても2chステレオで録音されます。midiの#ccのコントロールが簡単にできるので、音量バランスはOUTPUTで調整します。
オーディオレコーディングは出来ますが、高度な編集はほぼ出来ません(汗)。だから録音の際には気合い入れて、1テイク一発録音くらいの気持ちで完璧な演奏に努めましょう。
レコーディングはMac版で行いました。サンプリングレートは、44.1kHzから192kHzまでレコーディング可能です。ただし、iPhoneの場合、高レートで録音しても48kHzにダウンコンバートされるようです。いずれにしてもガジェットで192kHzで録音する酔狂なひとはいないでしょう。とりあえず、48kHzで録音しました。
Macで録音したファイルをiCloudで共有して、iPhoneアプリでも開けるというのがうれしいところです。
使用した楽器とマイク
楽器はアコーディナを使用しました。アコーディナの中でも高音域のヌケの良いものを使用しました。アコーディナについてはこちらをご参照ください。
マイクは真空管とFET両方の機能を兼ね備えた、LewittのLCT940を使用しました。ツマミで簡単に真空管マイクとFETマイクの特性をミックスさせることが可能なのです。今回はやや真空管よりの設定で「甘すぎず、堅すぎず」の音を狙いました。
アンプ部にハイパスフィルターを備えているので、余分なLowもカットできます。
関係ありませんが、ケースに入ったマイクセットと保護犬のメグちゃんです。
ここで問題発生。KORG Gadgetにはマスターチューンの機能が見当たりません(2018/825 現在)。
生楽器の場合、442kHzでチューニングされている物が多いのですが、ガジェットは440kHzで調整されています。通常のDAWならこの機能が無い音源でも、ピッチベンドを固定して強制的に補正することも可能なのですが、ガジェットの場合、#ccを数値で入力することが出来ないので面倒です。
今回のアコーディナも442kHzですので、同じ音を重ねると気持ちの悪いことになってしまいます。とりあえず今回は、ディレイとリバーブで逃げました。ピッチの不安定なヴォーカルの応急処置のような感じです(笑)。
録音したクリップについて
録音したクリップは、GadgetSonic 2018に参加させていただいている物です。
KORG非公式のコンテストなのですが、コンテストというよりもユーザーイベントといった感じです。たくさんのガジェットユーザーが、ガジェットを使って作った自分たちの曲を持ちよるというもの。実力を競うという感じではなくて、それぞれのガジェット楽しみ方を発見していく感じですね。
ここのところ、ガジェットで作るクリップには恐竜の名前をつけています。これは「アンモナイト」というお題を先に決めてから制作をしました。うーん、これは恐竜ではありませんが...
この生き物は、一説によると泳げなかったそうですね。ヤドカリのように海底をノソノソ歩いていたんでしょうか。ボクはイカのような感じで泳いでいる姿をイメージして音楽を作ってしまいました(笑)。まぁ、古代の生き物の幻想的なイメージが伝わればいいのですが...。
オーディオレコーディングのアコーディナの音は曲の中盤から入っています。
クリップで使用したガジェット
制作には、オーディオトラックを含めると8トラック。ガジェット音源は7つ使用しました。マスタートラックにはDeeMaxを(少々)使用しています。
MacとiOS行ったり来たりしながら作りました。Mac、iPhone、iPadと自由に行き来できるところがKORG Gadgetの最大の魅力ですね。
Darwin
KORG M1の音源アプリをガジェット化したものです。iOS版のアプリ内課金、追加サウンドライブラリーはMac版では最初から入っています。
音色はピアノの音を使いました。通常の音より低い倍音が含まれている音色で、分厚いピアノの音がするので、たくさんの音の中でも埋もれることがありません。ちなみにこのピアノの音色は「Milptas」の中にもありますね。
Stockholm
これがガジェットの中にあるというのは本当に重宝します。ボクはReasonユーザーでもあるので、Rexファイルが使えるこいつをiOSで使えるだけで、もう幸せいっぱいです。iOS版は追加購入ですが、Mac版には最初から含まれています。
また、Mac版のガジェットはVSTやAUで使用が可能なのですが、こいつはmidi情報の書きこみがVST、AUバージョンでは手入力となります。まぁ、Macの場合は、Resaonを使えばいいわけですが...。
Bilbao
iOS版は追加購入になるドラムマシン。いらんかなー、と思いいながらも結局追加購入しました。KORG Gadgetはグルーブ系のガジェットが豊富で、それぞれ味のあるキャラクターが魅力的です。先のStockholmと一緒に使いたいキックの音が丁度ここにあったので、これを使うことにしました。
Gladstone
KORG Gadgetはドラム系のガジェットが豊富にありますが、生音系のドラムはこれのみ。もちろん、他のドラムマシンでもそれなりの音はありますが、生粋のドラムの音はこれになります。自然に曲を盛り上げたいときに生音系のドラムの音があれば重宝します。曲の中盤以降から使っています。
Glasgow
Pad系がメインのシンセですね。ただ使えるプリセットは少ないです(笑)。この音源に限らず、Pad系のアタックが遅い音を入れるときは、タイミングを考えて入力する必要がありますね。あまり目立たずに程好い景色を作ってくれます。
Madrid
アコースティックベースの音が欲しいときに使うガジェットです。今回の曲の中ではアップライトベースの音が欲しかったので、これを使用しました。これに限らず全体的に生音系はそんなに良くないんですが、ガジェットという宇宙の中で使いたいんで...。
Lexington
Mac版ではRev.1、Rev.2のサウンドライブラリーが最初から入っています。iOS版はアプリ内課金、追加購入しなければいけません。いったいどこまで金使わせんねん!と思います。
テーマのメロディパートはこれを使っています。やっぱり、こいつの存在感は素晴らしいです。iOS追加課金で購入する、ガジェットから独立した音源アプリはどれも素晴らしいです。もちろんガジェットで使うのが購入の目的なんですが。...
この記事を書いた人
[Music Freaks]
日々、ピアノを弾くことで生計を立てています。アコーディオンも弾きます。そしてひたすら音楽製作してます。人の多い場所と鈍感な人、苦手です。音楽と共に生きてくことは愉しい、すべての人がそう思えるような世界を考えていきたいです。
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