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  1. レビュー

Pianoteq を192kHzで使用する



DTMerに人気に高いピアノ音源、Pianoteq。作り込み度はピカイチなのですが、サンプリング系の音源と比べると、どこか音が嘘っぽい。ということで、あまり使用することのなかったサンプリングレート192kHzで使用してみました。

入力反応の調整

その前に入力反応の調整も書いておきます。

Pianoteqでは使っているキーボードに合わせて、鍵盤入力反応の細かな調整が可能です。ここをきっちり自分の好みに調整しておくことで、再現性や弾き心地が全く変わってきます。

チュートリアルに従っての自動設定が可能ですが、ここはマニュアルで細かく設定、エディットした方がより好みのもに近づけることが出来ます。いじりすぎてとんでもないことになったとしても、リセットで元に戻せますので安心です。

ヴェロシティーカーブ

Pianoteq 6ScreenSnapz003

初期設定では対角線上にまっすぐです。ベロシティカーブは何種類か登録しています。

実際のアップライトピアノとグランドピアノで反応が変わってきますし、使い込んだピアノなどもまた違います。ここの設定によってPianoteqの音もかなり変わってきます。たとえ打ち込みでもmidiの数値の影響をうけるので、ここは各ピアノに合わせて設定しておきたいものです。

ペダル

Pianoteq 6ScreenSnapz005ペダルのカーブも調整できます。 ピアニストは実際の演奏では、楽譜にはない細かなペダル操作をしているので、この部分の反応を自分の感覚に合わせておくと、より演奏の再現性が良くなります。

初期設定では遊びの部分が大きいので、この部分をも少し狭くします。踏み込みはじめの部分だけを急にしてます。

Note Off

Pianoteq 6ScreenSnapz004この部分は音が切れるタイミングですね。

ゆっくり弾いたときは鈍く、早く弾いたときには素早く反応するようにしています。ゆっくりした演奏で音を寝かせたいときや、キレの良い演奏などでの反応などでメリハリをつける事が出来ます。この部分の設定でかなり弾き心地がピアノっぽく改善されます。

192kHzでの使用

コンピュータ音源をこのような環境で使用することは、あまり無いとは思うのですが、今の環境で可能な最上の状態で使用してみました。

理論上、あまり意味が無いといわれることもある「サンプリングレート192kHz」ですが...

結果、高域の空気感がより生々しくなりました。これはPianoteqに内蔵されている空間系のエフェクターも高サンプリングレートに追従しているためと思われます。これはずっと弾いていてもかなりイイ感じです。

192kHzで録音してファイル書き出しマスタリングまでを行い、最終的に16bit 44.1kHzでディザリング書き出しています。

モデルBの場合

スタインウェイのリビングサイズのグランドピアノです。スタジオレコーディングで使用されるのはこのモデルが多いです。

ピアノの弦は高音域と低域をX型にクロスさせて配置されています。音源で鍵盤の左から右へときれいに低音から高音までLR移動するものがありますが、実際にはこんなにきれいに割り振られて聞こえることはなく、構造上、音は左右に揺れていています。さらにボディや共鳴板の共振も含むので位相のゆらぎがあります。ボディが小さく弦長の短いピアノほどこの傾向が顕著です。実際、こういった音の揺らぎ自体がピアノの音の美しさを生み出しているところでもあり、個性でもあります。

モデルBはこの揺らぎが美しいピアノでもあり、奏者が陶酔できるピアノなのです。モデルBを再現している各メーカーの音源はそのあたりの特徴をよく捉えています。中でもPianoteqのモデルBが一番その特徴がわかりやすく、いかにもという感じに仕上がっています。

シュタインベルグの場合

日本ではあまりポピュラーではないメーカー、シュタインベルクのピアノ。ヨーロッパでは超有名なピアノメーカーです。何が有名かというとアップライトで有名なピアノメーカーなのです。このメーカーのピアノはアップライトとは思えなくらいによく響くのです。このメーカーのピアノはアップライトピアノの王様といわれています。

今使っているアップライトピアノを購入するとき、このメーカーとどちらにするか迷いましたが、うちの環境ではシュタインベルグは響きすぎるので見送りました。

Pianoteqのシミレーションはグランドピアノのほうです。どうせならアップライトにして欲しかったです。しかし、このメーカーのピアノの特色となる各弦の高音域の倍音の絡み方は、ものすごくうまくモデリングされています。時間があればこのデータを元にアップライトピアノを作ってみたいと思います。

ベヒシュタインの場合

ベヒシュタインのピアノは実際に何度か弾いたことがありますが、音がきまじめな印象です。ヨーロッパのピアノ工房ではたいてい目にしました。フランクフルトのミュージックメッセで、同行したピアノ技術者の方にベヒシュタインのピアノの感想を結構しつこく聞かれたので、技術者には人気の高いピアノなんでしょうか。

Pianoteqのヴァージョンが6.4になって、同時に発売されたベヒシュタインの音源。技術者に人気のピアノだけあって、この拡張音源はよく出来ていると思います。まさにPianoteq向きの音かもしれません。偽物シミレーションピアノなのに「ピアノの音はかくあるべし」みたいな感じが、なんとなく冗談めかしていて素敵です。

192kHzでの使用感、感想

さて、192kHzでの使用感ですが、ピアノの弾き心地というか反応がかなり良くなります。それと各モデルの違いをかなり明確に聞き分けることが出来ました。Pianoteqの持ち味の「いろんなピアノをパソコンで作れる」という部分を思う存分堪能できます。



オーディオインターフェースの制限やCPU負荷がかかるので、常にこの状態で使用することはないです。しかし、こういったソフトウェアからピアノの奥深さをあらためて体感できます。ピアノの細かなニュアンスにさらに耳を澄ませて身体全体で聞くようになります。

音を奏でるという行為自体が「体感」ですから、ソフトウェアで仮想体験して生ピアノにより深く興味を持つようになる、それも現代におけるピアノの楽しみ方かもしれません。

それぞれのピアノ音源の音

ボクはPianoteqがコンピュータ・ピアノ音源の中では一番面白いと思っています。

でも、この音源が生ピアノに一番近いかといえば、こたえは「No」です。極端に言ってしまうと全然違います。人間の肌にたとえるとシリコンで出来た肌といった感じでしょうか。本物っぽさでいえば、IvoryやShynchronのほうがかなり近いです。特にハンマーが当たってから離れる時の空気感と音を止めてからの共鳴板の余韻、これらはIvoryやShynchronのほうが本物のピアノの感覚に近いです。

ちなみに下記の音楽は同時期に同じ条件でIvoryで制作したものです。Ivoryの場合、192kHzで使用した場合、アップサンプリングとなります。

こちらの方が空気感も含めて、ピアノらしい音の生々しさがあると思います。このあたりはサンプリング系音源の強みかもしれませんね。

Ivoryよりもさらに、Shynchronはピアノ全体がまとう空気感の再現にかけてはかなりリアルです。Pianoteqの記事を書いているのですが、ぶっちゃけピアノの音はShychronというピアノ音源が最強です。ただピアノに関しては最もリアルな音源ですが、ペダルを多用したときのCPU負荷がハンパないです。そういった意味でSynchronはマシン性能にかなり依存する、ちょっと使いづらいピアノ音源でもあります。

Pianoteqでは今回、198kHzでオーディオバッファ256で使用しましたが、Synchronだと48kHz オーディオバッファ512の状態で同じCPU負荷の状態です。これはこの音源のCPU負荷のピークが大きいせいでもあるのですが、これはまた別の機会にレビューします。

Pianoteqの立ち位置

生ピアノの音とPianoteqの音の差は、本物の人間が演じた人物とCGで精巧に作られたキャラとの「似てるけど明らかに別物」という感覚に近いです。ボクはこの感覚、パソコンの中のソフトウェアで何かを作り込んでいる感じが好きなのです。このちょっとした「嘘っぽさ」もふくめて、このツールが持つ面白さが好きなのです。

たとえばグランドピアノのサンプルからアップライトピアノを作ることも可能です。下の音源はグルトリアンのグランドピアノからアップライトピアノを作ったものです。

Pianoteqはコンピュータの中でピアノをデザインしていくことが可能です。想像上の生き物をCGで作るように、想像上のピアノを創ることが出来るのです。このあたりが他のピアノ音源との明確な違いといえるでしょう。決して本物ではないですが、その存在の嘘っぽさがたまらなく好きなのです。これは他の物理モデル音源にもいえます。

今後これがどこまで進化していくのか、時代とともに見つめていけることがとても楽しみな音源です。

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