公益財団法人日本音楽教育文化振興会が主催する作曲コンテスト、Sound Creator of The Year 2020のファイナリストに選出されました。
私はクリエイターEXPO2020の出展者ですので同コンテストへの参加費用10000円が無料になります。ある意味、「タダで参加させていただけるのなら〜」のような不純な動機での参加でした。なので、作品がファイナリストに選出していただいたことは大変光栄です。
Sound Creator of The Year
まず、Sound Creator of The Year について、同Webサイトからコンセプトを引用させていただきます。
コンセプト
作曲家の人材発掘を主眼としたコンクールやコンテストは、既に国内外に数多く存在しています。特に伝統的な西欧クラシック音楽の延長上にある現代音楽の分野においては、様々な格式の作曲コンクールが多数存在しています。しかし一方で、現代社会において一般大衆に対する娯楽音楽、つまり商業音楽、ポピュラー音楽や映画放送音楽や劇伴といった分野への進出を目指す作曲家の人材発掘を目指したコンクールやコンテストの類は、まだ歴史も浅く、数も多くはないといった状況です。
今までに在るようで無かった…こんなサウンドクリエイターのコンテストがあったら…
そこで私どもは、あるテーマ(課題)を設定して、それに沿った作品を募集して審査するという実際的な方法で、優れたサウンドクリエイターの資質を備えた人材を発掘するコンテストを開催します。
既に4回の開催を実現してきましたが、ゴールデンタイムのドラマの音楽担当や、アニメ関係のコンテンツの作編曲等で活躍する逸材を輩出しております。
また様々な分野のクリエイターと関連業界の方々が一堂に会するビッグイベント【クリエイターEXPO東京】と連携し開催することで、サウンドクリエイターに対する波及効果は非常に大きなものになります。
毎回の特徴ある課題設定の内容から、今後サウンドクリエイター以外の分野や人材も多く巻き込んで展開していけるよう期待しています。
通常のクラシックの作曲コンテストとは違い、映画やドラマ専用の劇伴音楽作曲家を発掘するコンテストといえそうです。
テーマ
下記は同じくサイトサイトからの引用となります。
2020年 第7回の課題(テーマ)
「スポーツをテーマにした架空のアニメ・ゲームのための音楽」テーマソング・キャラクターソング・ゲームなど背景音楽等、任意の設定の作品を制作して応募してください。添付資料に応募作品の設定も記述してください。
このテーマは特に決められた内容のものがあるわけでは無く、応募者が自分で創作して用意するものとなります。
2020受賞者
3月4日に同サイトにおいて発表がありました。
- クリエイター大賞:薮井 佑介(フリーランス)
- 準グランプリ:XENO SPIRIT(株式会社テクロス)
- 準グランプリ:前田 哲(音楽講師)
- ファイナリスト:神出 高志(MusicFreaks)
- ファイナリスト:栗子 洋平(フリーランス)
- ファイナリスト:田山 里奈(東京音楽大学)
- ファイナリスト:德田 しずか(フリーランス)
大賞にはとどきませんでしたが、才能豊かなクリエイターの列に加えていただき大変な栄誉です。ありがとうございました。
音楽が出来るまで
12月中旬に同コンテストの無料応募枠があるとクリエイターEXPOから案内のメールが来ました。
冒頭にも書きましたように、「タダで参加させていただけるのなら〜」のような不純な動機がありましたものの、さてどうしようかという気持ちもありました。
劇伴音楽の研究
実は同コンテストは昨年2019年にも無料応募枠があったので、応募させていただきました。しかし、昨年2019年に応募した曲、自信はあったのですがコンテストの最終審査は通過できませんでした。
これは、劇伴音楽のコンテストなので「自分の嗜好だけで音楽を作っていては駄目」ということなのです。つまり、こういった音楽のスタイル、そして映像における需要など様々な観点から音楽を作る必要があります。
そこで今回は、アマゾンプライムで映画を見まくりました。最初は海外の映画ばかり見ていましたが、日本のアニメなどを見るとスタイルや表現が若干違うので、日本の映画やドラマ、アニメーションを中心に見てスタイルを研究しました。
また、Keyboardマガジンのバックナンバーを購入して、第一線の劇伴音楽で活躍されている作曲家の方々の意見や作品も研究しました。ここで紹介されている作曲家の方々の作品のすべてをSpotifyでチェックしました。
ピアノでのアウトライン
メロディをある程度作りかけていたのですが、たまたま音源レビューで即興演奏した時に別のフレーズが生まれました。元あったメロディではなく、即興演奏で生まれたメロディを利用することにしました。下記はそのときのピアノ即興演奏の動画です。
女神たちの理不尽なプロット
Sound Creator of The Yearは架空のストーリーに音楽をつけます。2020年度のコンテストは題材は「スポーツ」を題材にした架空のアニメとなっています。
このテーマは自分で創作します。早速、アマゾンプライムにある映画で紹介されているようなストーリー概要を作ってみました。
ストーリー
新聞社に勤める「雄一」は、パラリンピック出場の義足の天才少女ランナー、「はるか」の取材をデスクから任命される。ひたむきに自分自身と向き合い挑戦するはるかに、雄一は心惹かれていく。しかし、取材を重ねるうちに少女が足を失う直接の事故の原因をつくったのが、雄一本人の過去に起こしたちょっとした過失が関わっていることを知る。
障害を抱えながらも陸上競技に臨む、それぞれの境遇を背負った女性たち。そこに関わる人たちの希望と苦悩を描くストーリー。
アレンジ
上記動画のメロディを使って、想定したストーリーに合わせて劇伴音楽風に仕上げてみました。
楽曲タイトルは「女神たちの理不尽なプロット」です。(音源サンプルはクリエイターEXPO 2020の視聴ブース用に作成したものです)
(*2020年度10月のクリエイターEXPO 2020は出展をキャンセルいたしました)
主人公の少女の純粋さを表現するために冒頭の主旋律にはリコーダーを使用しています。アスリートを表現する部分ではパーカッションやブラスを使っています。緊張や不安をイメージする部分を中間部に挟みました。
アニメや劇伴で使用されるテーマ曲は、メロディの流れを重視した比較的短いものが多いので、冗長にならないように150秒以内にまとめてオープニングテーマをイメージして制作しました。最後の効果音は市販の素材ではなく自作のもので、曲のBPMに合わせた3連符です。
クリエイターEXPO 2020
4/1〜3日においてクリエイターEXPO 2020が開催される予定です。予定というのは現時点での発表で、今後の状況においては変更もあり得るかもしれません。
昨年の出展においての感想は下記記事になります。
現在、国会中継を流しながらこの記事を書いています。大型イベントにおける新型コロナウィルスの影響は計り知れません。
アメリカでのイベントSXSW2020は中止になってしまいました。
本年度のクリエイターEXPO、会場では新型コロナウィルスに対して徹底した対策も行われる予定。ですが、来場者は大幅に減ると予測されます。一抹の不安はあるものの、過酷な状況下において、どんな結果になろうともあらゆる可能性を考えていきたい、自分はそう思っています。
何が一番最良であるのか、もう少し見守っていきたいと思います。
追記:03/11/2020
特措法改定が本日衆院内閣委員会で可決されました。これにより、4/1〜4/3に開催予定のクリエイターEXPOが10/28〜30に延期となりました。会場もパシフィコ横浜に変更となります。
(*2020年度10月のクリエイターEXPO 2020は出展をキャンセルいたしました)
この記事を書いた人
[Music Freaks]
日々、ピアノを弾くことで生計を立てています。アコーディオンも弾きます。そしてひたすら音楽製作してます。人の多い場所と鈍感な人、苦手です。音楽と共に生きてくことは愉しい、すべての人がそう思えるような世界を考えていきたいです。
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