先日紹介した、ビデオをロイヤリティフリーで供給して音楽を制作するコミュニティサイト、CueTube。先々週からFriDay Challengeが始まっています。
今回はこの話題について書いていきたいです。
Friday Challenge
以前にも書きましたが、CueTUbeは音楽家とフィルムメーカーとの架け橋となって、アーティスト同士が交流を深めていくためのコミュニティサイトです。詳しい内容は前回の記事をご参照下さい。
毎週金曜日に新しい「タイトル」
このCueTubeが毎週金曜日に新しいタイトル(ビデオ)を公開することになりました。
この公開されたビデオは音楽創作のために自由に使うことが出来ます。ショートムービーばかりなので、音楽制作にもそれほど時間がかかりません。映像からアイデアを膨らませていくのは、とても愉しいです。
SoundCloudのように音楽だけを公開していくのではなくて、映像に合わせた音楽を公開出来るのは素晴らしいです。その映像の素材を毎週提供してくるというのですから、至れり尽くせりです。
シングル・インストゥルメント
特別なチャレンジとして「シングル・インストゥルメント」を選択することも出来ます。これはピアノやギター、もしくはアコーディオンでもイイです。映像にリアルタイムで演奏しながら表現していくのは、かなり良い刺激になります。
タグに #cuetubescorechallenge をつけて公開します。
この制約はかなり勉強になります。様々な音色選びの作業から解放されて、たったひとつの楽器だけで表現していくと、旋律や音楽的な構成のみに注視することになります。昔の無声映画などは、ピアノやアコーディオンでリアルタイム生演奏していたんですよね。そう考えると劇伴の原点ともいえますね。
CueTube Website:メンバー登録する事でアーティストギャラリーの閲覧が可能となります。音楽家だけでなく映像制作者の方も是非ご登録ください。
カミデの作品
今回新たに2作品が追加され3作品が自由に映像素材として使えます。(これを書いている時点で、4作品目が追加されています)、今後も毎週金曜日に新しい素材のロイヤリティ・フリーの映像が公開されていきます。
今回はシングル・インストゥルメントでピアノのみ制作してみました。
Financial Technologies
PianoteqのスタインウェイBのPresetを使用しました。
ピアノテックについては過去記事をご参照ください。
Pianoteqは物理モデリングピアノです。通常のサンプルを使用したピアノではなく、簡単に言ってしまうとシンセのように合成して作ったピアノの音です。
サンプリング音源が質感を重視したザラッとした音をしているのに対して、物理モデリング音源の特徴はすべてに於いてヌルッとしています。なんというかアンドロイドっぽいのです。これが加工しやすくて、作り込んでいくときには重宝します。また他の音源と混ぜやすいです。
ちなみに私は物理モデル音源の嘘っぽさが大好きです。みごとな模造品を観ている感覚に近いですかね。
Elephants Dream Ending
内容は「妄想」を具現化する世界に入った老夫婦のお話。
爺さんはメッチャ愉しそうなんですが、奥さんは不満そうです。そうして最後にお互いの不満が爆発します。寓話を通して老夫婦の内面を描いてます。肉体的な威嚇と精神的な威嚇の対比、傲慢さから失うものとは...短いストーリーの中で考えさせられる部分があります。動画はお互いの不満が爆発する最後の部分です。
この作品ではNative InstrumentsのNoireを使用しています。
Yamaha CFXをベースにシネマティックなサンプルを豊富に備えたピアノ音源です。
Noireはアルペジェーターを本体に備えていたり、単なるピアノ音源とはちょっと違った趣です。サンプルは通常のものとフェルトでミュートしたものをベースとした2種類があります。今回はこの2種類を作品の中で微妙に使い分けています。
また、低域をサブウーファーを使った誇張したスタイルを演出できるのも、この音源の特徴です。こういったサウンドトラックには非常に重宝する音源です。
ピアノだけでロマン派風の音楽を作ってみました。それを登場人物の動きに合わせて歳アレンジしています。エンドロールのピアノフルヴァージョンも是非お聴きください!
おまけ: Elysion Contest 2020
これはCueTubeへ投稿ではありません。数ヶ月前にBest サービス主催で開催されたコンテスト。残念ながら最終選考に残ることは出来ませんでしたが、せっかくですので皆さんと共有したいと思います。
使用した音源は、オーケストラ音源にSpit FireのBBCオーケストラをベースに使いました。ブラスセクションの一部は、HeavyocityのForzoを使用しています。
中間部で現れるアルペジェーターの音は前の動画のピアノ音源、Noireのものです。
所々で使用している効果音的な音は、UVIのWoosh FXを使用しています。
最後に
今後も自分は毎週の課題にチャレンジしていくつもりです。
その理由は、
- スキルアップ
- 自分自身の強みの再確認
- アーティスト同士の交流
たくさん音楽を定期的作ることでスキルアップにつながります。仕事に追われて大変でもないかぎり、音楽を定期的に作ることはなかなかないのではと思います。特にある程度スキルが出来上がってしまうと、初期の頃の音楽制作の愉しさや喜び、新しい発見を忘れがちです。
また、シングル・インストゥルメントでの制作で自分自身の表現の強みや弱いところも再確認できます。そこから一工夫して新しいものを生み出すことが可能になります。
最後にアーティスト同士の交流はとても大切です。特に他の人の作品に触れることは刺激にもなりマンネリ化から抜け出せます。
まだまだ始まったばかりのサイトですが、いろいろな音楽家の方の作品に触れることが出来て、とても良い刺激を受けています。また映像関係の方との交流も今後増えるかもしれません。
日本人でも音楽制作を日々愉しんで、スキルの高い方がたくさんいるのを知っています。是非、そういう方にQuTubeのコミュニティを利用して欲しいです。英語が苦手な人でもDeepLのような翻訳ツールを使うことで、とりあえず相手に意思を伝えることは出来ます。
最近は「音楽で食う」といういかにもなタイトルが好まれますが、どんなにマーケティングを駆使してもコンテンツがしょぼかったら話になりません。まずはマネジメント(自分自身)が出来ていないと全く話にならないということです。
定期的に音楽制作をすることで、自分自身のスキルUPのためのマネジメントツールとして利用してみてはいかがでしょうか。
CueTube関連記事:当ブログでのCueTube関連記事です。
CueTube Website:メンバー登録する事でアーティストギャラリーの閲覧が可能となります。音楽家だけでなく映像制作者の方も是非ご登録ください。
この記事を書いた人
[Music Freaks]
日々、ピアノを弾くことで生計を立てています。アコーディオンも弾きます。そしてひたすら音楽製作してます。人の多い場所と鈍感な人、苦手です。音楽と共に生きてくことは愉しい、すべての人がそう思えるような世界を考えていきたいです。
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